持続可能性が重視される現代社会の一市民として──
海洋にバックグラウンドを持つ私たちは、水産物の消費において不要となる貝殻や魚のアラなどを再利用することで社会貢献を目指します 。

【飲食店で排出される大量の貝殻】
水産物を扱う飲食店では日々多くの貝殻が廃棄物として扱われ、活躍の場を失っています。
代表にゆかりのある飲食店を対象に、ほたての貝殻の廃棄量を概算すると─
平日では約20枚/日、休祝日は約50枚/日であり、1 年間で約10400枚もの貝殻がわずか1店舗から廃棄物として排出されていることになります。
ほたて以外の貝も含めるとその量がさらに増すことは明白です。
【貝殻に秘められた可能性】
『貝殻』とは貝類の多くが持つ外骨格で、種によってさまざまな形や色の特徴を持ちます 。
主に炭酸カルシウムで構成されており、石灰石と同様にセメントや建材、土壌改良材などの原料として有用な資源となります。
例えば、ほたて貝殻のコンクリートブロックや、廃棄貝殻の人工漁礁が開発・運用されています 。
また、貝の種類によって貝殻に真珠層という光沢を持つ種類もあります。
日本の伝統工芸である螺鈿は、あわびを代表とした真珠層を持つ貝殻を用いて作られています 。
貝殻は工芸品から重工業まで幅広く利用されています 。
【廃棄される貝殻の再利用について】
ほたては養殖により供給量が安定しており、生産地では貝殻の再利用は以前から行われています。
例えばチョーク、ヘルメット、飼料です。しかし、ほたて以外の貝殻が廃棄されることも事実であり、日々それらを利用する方法を既存の技術を踏襲しつつ研究しています。
海からたくさんの恩恵を受けた私たちにできることとして、
消費地で廃棄された貝殻を集めて加工し、付加価値をつけて海や社会に還元すべきだという考えに至りここにたどり着きました。